現在の壁面緑化にある問題について

建物の壁に植物を這わせて遮熱性を向上させる壁面緑化は、その目的から成長が早く葉をたくさん茂らせる品種が重宝されてきました。日差しが最も強くなる夏季に間に合うように植物を育てる必要があるので、できるだけ早く育つ品種が優先されていたのが事実です。その一方で実用性を重視するあまり、どの壁面緑化も似たり寄ったりな外観になってしまう問題もあります。成長が早く葉も多い品種は限られるので、どうしても同じ品種が選ばれがちです。そのため、環境が似ている地域では壁面緑化のほとんどが判で押したような、類似した仕上がりになってしまいます。本来の目的である、外観にアクセントをもたせるおしゃれの一環としての壁面緑化ではなくなっているのが現状です。

花や果実で華やかな雰囲気を演出する方法がある

そのため、近年になって実用性ばかりを求めた壁面緑化のあり方を見直す動きが出ています。従来の壁面緑化では成長が遅いという理由で使われなかった品種を多く取り入れるケースが増加しているのが大きな特徴です。葉が少ないうえに背丈もあまり伸びないことから、建物の遮熱性向上には役に立ちません。しかし、人の身長とほぼ同程度の高さまで育ち、綺麗な花を咲かせる品種は道行く人に素敵な光景を見せてくれます。また、瑞々しい果実を結ぶ品種を植えることで植物が這う壁面の所々にワンポイントのアクセントを作る方法もあります。従来の壁面緑化が一つの建物の居住性を向上させるために行われていたのに対し、新しいスタイルの壁面緑化は地域の景色に彩りを添える効果を持っているのです。

壁面緑化とは建物の外壁を植物で覆うことです。主に壁面の断熱効果や景観の向上を目的とし、ネットにつる植物を這わせた簡易なものや、プランターやパネルを組み合わせたユニット型のものなど様々なものがあります。